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■ 掲載記事




毎日新聞・阪神大震災10年 希望新聞掲載(2005年1月17日号)
災害対策は世界一と誇れる国にしたい

 「これが人間の国か。国づくりの根本から考え直すべきだ」
 作家の小田実さん(72)にとって、そう叫び続けた10年だった。がれきと化した街に立ち、「繁栄の陰で、この国が、いかに市民をないがしろにしてきたか」を実感した。「国や自治体は、生活基盤を失った被災者にビタ一文出さない一方で、沖縄の駐留米軍には“思いやり予算”を増額した」からだ。
 兵庫県西宮市の自宅マンションで被災した。直後に被害の軽い者が重い人を助けようと「市民救援基金」を設立。集まった支援金を持って老人ホームや親を亡くした子どもを訪れた。だが「行政の援助のすき間を埋めるつもりで始めたが、すべてすき間。非常食の備蓄もゼロ。行政に災害対策の意識はなかった」。相次いだ高齢者の孤独死や自殺も、行政の無策に原因の一端があるとみる。
 政府は被災者への公的援助を「法律がない」と否定したが、「先進国で公的援助のない国などない。法律がないなら市民の手で」と96年5月、有志とともに練り上げた「生活再建援助法案」の成立を目指して運動を始めた。国会前で座り込みやデモを続け、98年5月に成立した被災者生活再建支援法に結びつけた。
 この10年で、公的援助は必要との認識はようやく広まったと感じる。だが、「新潟県中越地震を見ても、避難所の劣悪な環境は相変わらずだった」。17日、兵庫県芦屋市で防災や生活基盤の回復など、あらゆる災害対策を盛り込んだ「災害基本法」の制定を求める集会を開く。「災害大国としての認識を持つことから始めよう」と、法の必要性を訴えるつもりだ。
 「テロ対策ばかりに目を向ける米国の追随はもういい。この国の最大の恐怖は自然災害というテロ。災害対策は世界一と誇れる国にしよう。スマトラ沖大地震のような大災害が起きたとき、世界から頼りにされる国になるために」






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